ベイエリアを望むラグジュアリーホテルにチェックインする、ひとりの男。海外を拠点に活動する若手建築家である彼が一時帰国したのは、自身のキャリアを左右するであろう、あるプロジェクトに挑むためだ。客室で最後の仕事に取り掛かる彼の腕には、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」(以降、CODE 11.59)が輝いていた–––
“CODE 11.59”と切り拓く、新たな未来 vol.2
2025年 11月18日
時計との色合わせを愉しむ、洒脱なコートの装い
日本の大学で建築を学んだ僕は、国内の大手ハウスメーカーや設計事務所に就職していく仲間たちを尻目に、教授の古くからの友人が代表を務めるニューヨークの中堅設計事務所に就職した。建築家として、今後の自分の可能性を広げたかったのと、まったく異なる環境に身を置くことで、“生きる力”を養うことができると思ったからだ。
その事務所で約8年間、さまざまな仕事を経験し、31歳で独立することを決めた。自分の事務所を設立してからというもの、本当に目まぐるしい日々だった。日本に帰ってくるのも、会社立ち上げ準備期間に休暇がてら帰国して以来だから、3年ぶりになる。僕は羽田空港から直接、開業して間もない横浜のホテルにチェックインした。
久々に訪れた日本は、思いのほか肌寒かった。長時間のフライトを快適に過ごすことができるアルパカのタートルネックセーターもさることながら、ウールコートを持参したのは正解だった。そのコート、そして新調したばかりのスーツケースにも選んだグリーンは、僕にとってのラッキーカラーだ。
独立を決めたとき、自分に拍車をかける意味で購入した「CODE 11.59」にグリーンを選んでからというもの、意識するようになった。今回、一時帰国したのには大きな目的がある。4年後、国際的なイベントが日本で開催されることを受けて、そのメイン会場となる建築物のコンペに挑むためだ。僕はどこかこの仕事が、今後の自分のキャリアを大きく左右するものになると予感していた。
ロビーから客室に向かうとき、エレベーター前でひとりの男とすれ違った。大きなバッグを携えたその腕元で、「CODE 11.59」がひと際、その存在感を放っていた。
僕が「CODE 11.59」を選んだ理由。その特徴的なネーミングにはオーデマ ピゲのメッセージが隠されていて、「CODE」のそれぞれの頭文字は「Challenge 挑戦」「Own 自身」「Dare 大胆」「Evolve 進化」を意味すると知り、これからの人生をともに歩んでいくにふさわしい時計であると感じたからだ。
僕はこのホテルでこれから、明日のプレゼンに向けた最後の作業に取りかかる。同じ時、同じ場所で出合った、あの「CODE 11.59」もまた、僕の背中を押してくれるような気がした。
クリエイティブな時間を、極上のカシミアとともに
客室で荷を解くと、ざっくりと着られるウール素材のスタンドカラーセーター、そして上質なカシミアを用いたチョアジャケット、そのベージュに合わせたコットンとウールの混紡素材によるトラウザーズに着替えた。図面や模型と向き合うときの装いは、動きやすさや着心地のよさを重視するのはもちろん、気品を保つことも心がけている。
ラフな服装だと、目の前の仕事に対する姿勢、思考すらも緩みかねないと感じるからだ。「本当にこれでいいのか」「もっと違うやり方があるんじゃないか」。そんな自問を繰り返すうちに、窓の外には美しい夜景が広がっていた。
横浜のホテルに滞在することを決めたのは、アクセスのよさを考慮した以上に、建築家を志した学生時代を過ごした、自分にとっての“原点”と言える場所だからだ。ざわついていた心を落ち着かせ、目を瞑ると、これまで思い出すことすらなかった、仲間たちと過ごした楽しい日々、ニューヨークに旅立つあの日の空港の景色など、さまざまな記憶、情景が脳裏に浮かんだ。
目を開けた次の瞬間、眼前の図面や模型が、まるで命が灯ったかのように躍動しているのを感じた。そして、さっきよりも背筋が伸びている自分自身にも。ふと「CODE 11.59」に視線を移すと、時刻は午前0時を回ったばかりだった–––
FEATURED WATCH
18Kピンクゴールドと深みのあるグリーンのコントラストが美しい、華やかさと力強さを備えたクロノグラフ。ムーブメントは一体型クロノグラフでコラムホイールとフライバック機能を備えたキャリバー4401を搭載。スイスのギヨシェ職人、ヤン・フォン・ケーネルと共同開発した繊細なダイヤルにも目を奪われる、コンテンポラリーな感性に満ちたタイムピースだ。
衣装協力
(LOOK 1)コート¥74,800、セーター¥29,700、パンツ¥36,300/すべてトゥモローランド(トゥモローランド TEL:0120-983-522)、スーツケース¥542,300/リモワ(リモワ クライアントサービス TEL:03-6733-9850)、シューズはスタイリスト私物
(LOOK 2)ジャケット¥913,000、セーター¥677,600、パンツ¥198,000/すべてゼニア(ゼニア カスタマーサービス TEL:03-5114-5300)
Photo, Video & direction:HIRO KIMURA(W) – Styling:Masayuki Sakurai(casico) – Hair:Koichi Nishimura(VOW-VOW) – Make-up:CHACHA(beauty direction) – Model:Ryohei Yamada(VELBED.), DAISUKE(Donna) – Edit & Text:Satoru Yanagisawa
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