老舗呉服店の四代目として家業を切り盛りする、45歳のひとりの男。大切なパートナーと非日常を味わうべく訪れたラグジュアリーホテルで、彼は“あること”を決意していた。愛用する「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」(以降、CODE 11.59)とともに、彼の人生が動きはじめる–––
“CODE 11.59”と切り拓く、新たな未来 vol.1
2025年 11月18日
実用と気品を兼ね備えたカジュアルで、自然から都会へ
彼女の誕生日をともに過ごすプランは、もう2カ月以上前から自分のなかで固まっていた。箱根にある美術館でゴッホの企画展が開催されていると知ったとき、彼女が「ひまわり」を見てみたい、と言ったことがきっかけだ。
11月はちょうど仙石原のススキも見頃を迎えているだろう。そんなバースデー前日の箱根ドライブを終えた私たちは、帰路の途中にある横浜のホテルにチェックインした。
ディナーまで時間があったため、そのままロビーラウンジでお茶をすることに。今日このダウンジャケットを選んだ理由は、肌寒い箱根の気候を考慮したのに加え、スリーブがニットに切り替えされているため着用したままストレスなく運転することができるから。また落ち着いた色みはもちろん、部分的に用いられたウール生地が上品で、ホテルにチェックインする際も気後れすることがない。
たとえそれを脱いだとしても、タートルネックセーターが適度に印象を引き締めてくれる。私はホットコーヒー、彼女はロイヤルミルクティー。寒がりの彼女も体が温まったはずだ。
客室に向かうエレベーター前で彼女を待っているとき、ひとりの男とすれ違った。比較的大きなトロリーケースを携えたところを見ると、遠方からの宿泊客なのだろう。そう思った次の瞬間、私の視線は彼の左腕からのぞく「CODE 11.59」をとらえた。
私が「CODE 11.59」を愛用する理由。それはこの時計に「既成概念にとらわれず進化し続ける」というメッセージが込められていることを知ったからだ。「11.59」は時刻の11時59分を意味し、日付が変わる直前、すなわち新しい1日がはじまることを示唆しているという。
私には150年以上続く呉服店の四代目として、父や祖父が守ってきた伝統を受け継ぎながら、この新たな時代を生き抜くという使命がある。変わらずあり続けるために、変わり続ける。あの男性も「CODE 11.59」からそんな共感を得ているのだろうかと、少しばかり気になった。
エレガントなジャケットの装いは、自らに課した“コード”
ホテル内のレストランでのディナーを終え、ベイエリアを望むバーへ。シャンパンとともに、思い出話と呼ぶには早すぎる、箱根ドライブについての会話を愉しんだ。私が着替えたのは、艶やかなベルベットジャケット。気品のある素材感もさることながら、夜の照明のなかではブラック以上にブラックに見えるダークネイビーのタキシードも正統なフォーマルウエアであり、そんなエレガンスを演出できると思ったから。
決してドレスコードを過剰に意識したわけではない。このあとの自身の行い、そして彼女に対して、最大限の敬意を表したかったからだ。
部屋に戻り、時計の針が午前0時を指したとき、私は彼女にプロポーズをした。彼女が誕生日を迎えた、その瞬間にと決めていた。彼女と出会ったのは、家業を継いで間もない頃だ。駆け出しの経営者として試行錯誤を繰り返しながら走り続け、気づけば4年もの月日が経っていた。それでも彼女は、10歳以上の年が離れた私と真剣に向き合い、この時を待ってくれた。指輪を用意しようかとも考えた。
でもこのプロポーズには、彼女が好きなアイボリーのローズをふんだんに用いたブーケを選んだ。長い時間をともに過ごしてきた私たちには、これくらいがちょうどいいと思ったからだ。彼女はそのブーケを手に取り、優しく微笑みかけてくれた。私の新しい1日が、いま動きはじめた–––
FEATURED WATCH
オーデマ ピゲの創業150周年を記念して新たに開発された自動巻きパーペチュアルカレンダームーブメント、キャリバー7138を搭載。すべての機能をリューズのみで調整することができるムーブメントは、天文時計の操作性に革命をもたらした。18Kホワイトゴールドと調和するスモークブルーが魅力的なタイムピースは、どんな装いにも美しく、知的に寄り添ってくれる。
衣装協力
〈男性〉
(LOOK 1)ブルゾン¥467,500/ムーレー、セーター¥92,400/バルバ ナポリ(ともにコロネット TEL:03-5216-6521)、パンツ¥55,000/ギャルリー ヴィー(ギャルリー ヴィー 丸の内店 TEL:03-5224-8677)、バッグ、シューズはスタイリスト私物
(LOOK 2)ジャケット¥556,600、シャツ¥145,200、パンツ¥273,900、シューズ¥229,900/すべてゼニア(ゼニア カスタマーサービス TEL:03-5114-5300)
〈女性〉
(LOOK 1)ブルゾン¥621,500/ムーレー(コロネット TEL:03-5216-6521)、セーター¥69,300/ヴィンス(コロネット TEL:03-5216-6516)、パンツ¥42,900/ロゥタス(ロゥタスカスタマーサービス TEL:03-6231-0897)、リング(中指)¥15,400/フィリップ オーディベール、リング(薬指)¥31,900/リエ スタジオ、バック¥199,000/ミチノパリ(すべてトゥモローランド TEL:0120-983-511)
(LOOK 2)ジャケット¥99,000/デ・プレ(デ・プレ TEL:0120-983-533)、ブラウス¥88,000、パンツ¥55,000/ともにトゥモローランド ビー(トゥモローランド 渋谷本店 TEL:03-5774-1711)、リング¥31,900/リエ スタジオ、シューズ¥59,000/ネブローニ(ともにトゥモローランド TEL:0120-983-511)
Photo, Video & direction:HIRO KIMURA(W) – Styling:Masayuki Sakurai(casico) – Hair:Koichi Nishimura(VOW-VOW) – Make-up:CHACHA(beauty direction) – Model:DAISUKE(Donna), Marina Fukuyoshi(STANFORD), Ryohei Yamada(VELBED.) – Edit & Text:Satoru Yanagisawa
Special thanks to The Westin Yokohama
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