コンピュータで仕事をするジャナ・ウィンダレン

「小さなリズーの森からジュー湖の深みへ」は、ジャナ・ウィンダレンの現地サウンドインスタレーションで、2019年の バーゼルにおけるアートバーゼルで発表されました。この没入型の作品は何層にも重なりあう音響のコラージュであり、ウィンダレン言うところの聞こえることと見えることとの間の「不調和」を描き出しています。

作品を制作する前にウィンダレンはジュウ渓谷を訪れ、地元の人々と共に録音作業を行いました。地域の哺乳動物、鳥、魚、昆虫、植物、そしてリズーの森の樹齢300年とされる木。

非常に成長が遅いこの木は音の伝達効果が優れていることで知られます。「小さなリズーの森からジュウ湖の奥底まで」はまた、人類の活動により生まれる逃れようのないサウンドをも示しています。環境の脆弱さとそれが少しずつ悪化してゆくことに、人類がどのように関わっているのかについて問いかけます。ウィンダレンのサウンドインスタレーションの発表は2019年6月11日、HeK (House of Electronic Arts Basel)のライブコンサートも交えて行われました。

一つの場所で何かを動かすと、広く世界にインパクトが広がる

"ジャナ・ウィンダレン:

ジャナ・ウィンダレンのポートレート

ノルウェーのサウンドアーティスト、ジャナ・ウィンダレン(1965年生)は、自然環境を通じて人々を深い知覚の旅にいざないます。自然の小さなほぼ聞こえないような音を取り出して聞かせることによりアーティストは、人々の感情に訴えかけ、興味を引き出し、私たちの生きている複雑な世界への尊重の念と環境についての考察を促します。

ウィンダレンはロンドン大学ゴールドスミスで美術プログラムを専攻しました。またオスロ大学で数学、化学、漁業環境学も修めています。1992年以降、サウンドが彼女の芸術活動の中心となりました。欧州、アジア、アメリカを旅行し、アクセスが難しい環境やエコシステムのサウンド、通常は聞くことのできない音などを収録しています。ウィンダレンのサウンド作品は世界各地の著名な場で発表されています。その中には:オスロのMunch Museum、クラビのタイ国際アートビエンナーレ、Dubrovnik Museum of Modern Art、ル・フレスノワ、Studio national des arts contemporains、Studio national des arts contemporains、オスロの米国大使館などがあります。ウィンダレンは2011年にPrix Ars Electronica for Digital Musics & Sound Artのゴールデン ニカ賞を受賞しました。作品はロンドンのレコードラベル、タッチにより出版されています。