スチールへの讃歌
2010年9月2日

スチールへの讃歌を歌いながら

ステンレススチール。かつて冷遇されていたこの素材は、発売後すぐにマストアイテムになったロイヤル オークのおかげで、ラグジュアリーウォッチ界での地位を確たるものにしました。スポーツコレクションでの活躍も期待できる合金素材にスポットライトを当ててみましょう。

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1972年、オーデマ ピゲはステンレススチールを使用したロイヤル オーク モデルを発表しました。販売に際しオーデマ ピゲが、プレステージ性の高いゴールドのウォッチと同等の価格を設定したことでラグジュアリーマーケットは騒然となりました。このスポーツウォッチ誕生の背景には、オート・オロロジュリでは、希少性の高いタイムピースであれば貴金属は必ずしも重要ではないというメッセージが込められていました。それ以降、価格を左右する要因は時計のデザイン、精度の高さ、ムーブメントの品質の高さにあると考えられるようになりました。

「外的条件において、スチールはゴールドよりも耐久性が高いので、スポーツウォッチに最適な素材です。わたしたちは初期の段階でスチールをゴールドと同じく、ハイエンドなデザインと仕上げを目指してポリッシュやサテン仕上げを施すことにしました」とオーデマ ピゲのプロダクト・マネージャーであるクラウディオ・カヴァリエール(Claudio Cavaliere)は語ります。発売当初のロイヤル オークのステンレススチールはゴールドとの合金でした。スチールの時計をゴールドと同レベルの価格に設定しましたが、時計内部にはゴールドが使用されていたのです。「これは貴金属を耐久性、防水性ともに優れた金属で守るためです」とカヴァリエールは語ります。

ロイヤル オークのヒットに続き、ハイエンドなスポーツウォッチ市場で競う他のウォッチメーカーも、暗黙の了解でスチールを使用するようになりました。以降オーデマ ピゲはケースやムーブメント製造のためにチタン、アラクライト、ラバー、アルミニウム、フォージドカーボンやセラミックスなどの新素材を開発・使用を目的とした専門の技術研究に打ち込んでいます。